【要確認】宜しくご教示願います。

前提条件が人と違うようで、会話が成り立ちません。どうしたらよいか教えて下さい。

未だに何だったのか、説明できない。

小学生のころ、

電車に、のんちゃんとあーちゃんと乗っていた。

 

隣に見知らぬおじさん、あやコム、あーちゃん、のんちゃん

の順番で座っていた。

 

で、見知らぬおじさんが、無言のまま、真横に座ったままに

真正面にくるほどにのぞきこんできたのである。

 

おしゃべりに夢中になった女子高生だって、

こんなに身を乗り出して、のぞきこむように座ったりしない。

 

顔の距離は20cmほど。

おじさんは何も言わない。

あやコムはギョッとするが、何かされたわけでもない。

騒ぐのもおかしい。

電車はやや空いていたが目の前には若い人が座っていた。

 

じっと見つめられるが、特にいやらしい感じもない。

ただ、ただ、不自然な姿勢でのぞきこんでくる。

 

なんだ、これは。

千鳥の、ノブさん風にいうなら

「どういうお笑い?」である。

 

箸が転がっても可笑しい時期、

というのは若い時期にはあるが、そういう問題ではない。

 

とにかく、おかしいぞ。

なに、これ。

しばらく、無視してみるとおじさんは、

フッと顔を背けた。

 

ああきっと、知り合いの子供に似てたのかな。

おじさんって、若い子はみんな同じに見れるっていうし。

一瞬のうちに安堵、しかけたが、

おじさんはこっちをすぐにぐるんと向きなおした。

 

ふぇ、フェイント!

背けたふりしてから、すぐこっち!

こうなるとこちらはおじさんと目を合わせるのは怖すぎる。

本格的に「どういうお笑い?」状態。

 

超、至近距離で見つめられても、

気付かぬふりをするしかない。

 

電車は動き続けて、暗いトンネルの中へ

少し暗くなった車内、あやコムは必死におじさんの存在を無視して向かいに座った人の方を見ると、

この異様な光景を若い人も笑っている。

 

暗くなった車内は、鏡のように

薄くなったおじさんの後頭部を写している。

つまりほぼ真正面からのぞきこんでいるということである。

 

のぞきこみ、過ぎじゃね?

だからさ、どういうお笑い?

もう、駄目だ!

 

あやコムは立ち上がり、端にいる

のんちゃんの横に座り直した。

すると、あーちゃんがおじさんの隣になった訳だが、

おじさんのターゲットが、あーちゃんに変わると

あーちゃんはすぐに立ち上がりあやコムの隣へ移動。

 

あーちゃんもずっと、この

どういう、お笑い?という気持ちで隣で見ていたのだ。

 

最終的にのんちゃんがおじさんの隣になった。

おじさんの我々への興味は尽きないようで、

とにかく、フェイントをはさみながら

じっと見つめてくる。

 

のんちゃんは、あやコムとあーちゃんにとって最後の砦、

進撃の巨人でいうなら、ウォールシーナである。

 

のんちゃんが動いたら、おしまいである。

何がおしまいかと聞かれたら答えられないが、

とにかく、おしまいである。

 

のんちゃんはすごい。

のんちゃんは逃げなかった。

そして、狸寝入りをした。

 

あやコムなら怖くてそんなことできない。

目を合わせることも、目を伏せるのも、こわい。

のんちゃんてときどき大胆。

 

しばらく、目を閉じて、うつ向いていた、のんちゃん。

うっすらと目を開けたら、おじさんと目があったのだろう。

「ふふ、、」と笑っていた。

 

この話は20年くらい前の話で、

時々、あーちゃんとのんちゃんと話すけど、

未だになんのジャンルの話で、

なんのエピソードなのか分からない。

 

上手くこのおかしみを説明できる気もしなくて、

他の人に話したこともない。

 

嘘みたいで、本当で、

言葉を尽くしても伝わる気がしなくて、

どうしても伝えたいほど大事なことでもなくて、

 

20年もたっていても、

未だになんだったのか、説明できない。