記憶のトリガー「ゆでたまご」
ゆでたまごって聞いて、思い浮かべるのは、
板東英二だったり、キン肉マンの作者だったり、単なる食品としての、「ゆでたまご」だったりするんだろう。
あやコムには、ものすごく、
どうでもよい記憶のトリガーとして、「ゆでたまご」の話がある。
(記憶が曖昧だが恐らく)失恋して深夜のサイゼリア泣いていた。
そこには、友人のあーちゃんが、私のメンがヘラっているのを慰めてくれていた。
わーわー泣きながら、乾いた喉をドリンクバーを飲み、
トイレに立ち、戻ってくると知らない男が、わたしがいたはずの席から立ち上がってそそくさといなくなった。
「???知り合い?」あーちゃんに聞くと、
「ううん。なんか、あやコムが泣いてたから、彼女(あやコムのこと)ふられちゃったの?って聞かれた。」
「ふうん。」(ナンパかな?)
「おじさんなのに、すっごい、ゆでたまごみたいな肌してた!」(!!!!)
どうしても、無視できない綺麗な肌だったんだね。
そうか、でもすげーどうでもいいよ!
誰も知らないおじさんの肌質!声まね!
あたし、フラレてんねん!と思うけど、
あーちゃんは肌の美しさに感動しているのか、続ける。
「おじさんなのに、湯上がりたまご肌!」
それ以来、「ゆでたまご」というキーワードを聞くと、
あーちゃんの似てるかどうかも分からないおじさんの声まね「彼女、フラレちゃったの?」がプレイバックするようになった。
当時、確実にメンがヘラっていたが、
今は誰のことを思って泣いていたのか思い出せないほど、
立ち直っているという事実。
これから先、どんなことがあっても大丈夫っていう確信がもてた。
そして忘却の癒しの力と、上書きされた、
呪いのようなキーワードの記憶「ゆでたまご」が今も時々、思い出される。
エピソード記憶の底力。
でもきっと、あーちゃんは覚えていない。