騙される人。
さくらが散って、
ちょっとホッとしているあやコムだよ★
(綺麗すぎてちょっとゾッとするから。)
マイナス金利導入前、
彼氏と外食中、
隣に大学生くらいの二人の男の子が席にいた。
AとBの会話。
A「会社勤め以外に収入があるひとがいるから会ってみた方がよい。勉強になるから。世間は広いって思うよ。」
B「へぇ。そうなんだ。」
この瞬間に、マルチ商法か?と思うあやコム。
具体的には説明しないA、問いただすこともしないB、
二人の会話に耳をそばだてる彼氏とあやコム。
しかしなぜか具体的な話にはならず、
なぜか、マイナス金利の話に。
A「経済の話なんかもその人(会社勤め以外に収入ある人)としたりするんだけど、まだ勉強中でよく分からないんだよね。マイナス金利とか。」
B「マイナス金利って、、、、
金利がマイナスなんだから、、、、
お金を借りるだけ金利分がマイナスだから儲かる???」
あやコム、彼氏「!!!!」
A「うーん、どうなんだろうね。よくわかんない。」
あやコム、彼氏「!!!!」
錬金術かよ!そのシステム!
マイナス金利を説明できないとしても、
絶対にあり得ないことくらい分かれよ!
借金する方が儲かるなんて絶対にあり得ないじゃろがい!
貸す方がその金利払うんか!
どうなんだろうね、じゃねーよ!知りたきゃあググれや!
彼氏は笑いを噛み殺すような顔をしている。
店を出たあと、彼氏が、
「あー、マイナス金利最高だな。」と笑っていた。
あれからずいぶん時間がたったけれど、
なぜ、思い出したかというと
騙される人についてちょっと考えることがあって。
父方の祖母はかなりしっかりした人で、
母が出産の際、実家にしばらく世話になろうとした父に対して、
「お前はもう、うちの人間ではない。お前の家で、嫁を待ちなさい。」と突っぱねたのだ。
婿に入った訳でもないし、
父がかわいい息子であるのにはかわりないはずであったが、家事を女の当然の仕事だと思うなよ、という現代的思想であった。(自分の夫は台所に立たせたことはなかったが)
戦争を生き延びただけあってか、孫のあやコムにも大変厳しい人であった。
その祖母も年々、痴呆が始まってきた。
オレオレ詐欺のニュースを見るたび、
「こんなの引っかかる人いるのかねぇ。」と言っていたが、
実際に詐欺の電話があった時には
青い顔して、玄関で息子である父を待っていた。
(既に預金などは父と母が管理していたため、被害はなかった)
騙される人は、自分だけは大丈夫だと思っているらしい。
なんで人は、自分だけは特別だと思っているんだろうか。
経済用語で「自意識過剰バイアス」という恥ずかしい言葉がある。
車を運転する人に、「あなたは平均より運転が上手いと思うか」とたずねす尋ねると、70%近くの人が「はい」と答える。つまり20%の人は平均より低いにもかかわらず、平均以上だと思っている。
人は自分を買い被りやすい。
金儲けに関して言えば、
需要と供給について考えようよ、と思う。
100%近く儲かるものは、個人投資家に出番はない。
大手企業、銀行が放っておくはずがない。
「あなただけに」「特別」「今回だけ」にする、
相手(企業)のメリットを考えないのはなぜだろうか。
自分だけが得する話があるとすれば、
誰かが損している、もしくは割りをくっているはずなのだ。
なぜ、自分のために、誰かが損するのか。
なぜ、疑問に思わないのか。
自分は、自分だけは特別だと、なぜ思えるのか。
あやコムに彼氏はいるが、
彼はあやコムがいなければ他に女はできるだろうし、
あやコムも彼がいなければ他に男と付き合ってるだろう。
タイミングがあってたまたま一緒に住んでいるだけで
あやコムにとっては十分に特別ではあるが、
その程度の特別である。
私の代わりは他にいるもの。
結婚している人達も、3組に1組は離婚するのだ。
離婚するとは考えてもない人達が結婚しても。
特別であることは、
疑わしいと思ったほうが騙されないだろうけど、
騙されてもよいって思える感情は、
すごく幸福なんじゃなかろうか、とも思う。
騙されない人は、あんまり幸福じゃないのかもしれない。
うつの人は、騙されにくいって聞いたことを思い出した。
マイナス金利について語っていた若者たちも、
すごく楽しそうだった。
会社勤め以外に収入を得ている人たちの仲間入りをしたのだろうか。
マイナス金利の自己解釈により、
借金だらけになっていないとよいけれど、、、。