【要確認】宜しくご教示願います。

前提条件が人と違うようで、会話が成り立ちません。どうしたらよいか教えて下さい。

いとのいとがつたわらずいとをかし


今回は明治文学風に書いてみる、あやコムだよ★

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女学校を卒業したころのことでございます。

わたくしは難解なメールを送ってくるご友人に、大変悩んでおりました。

 

うるさいを、煩い など、読みづらい漢字を電子メイルに多用するだけならまだしも、

意図の分からぬ、俺通信ならぬ「わたくし通信」からはじまり、

時系列という概念を失った恋愛相談、

当時のメール制限数を無視して、件名に①、②、③とだけ書かれ、

計1500文字を優に越える難解な文章が、

眠りにつく丑三つ時、

携帯電話のバイブレーションが

まるでわたくしめの心のように短く震え、それを知らせるのでございます。

 

うっすらと眠りに落ちながらも、

ぼんやりと青ざめた画面を見ると、彼女の名前を確認し、

これからの困難を予感し、

ため息をついて、浅い眠りに落ちるのでございます。

 

そう、わたくしめはいけない、と思いながらも

ちらりと本文を見てしまったのでございます。

 

これは本当に恐ろしく憂鬱なものでございました。

「不安不安不安不安ーーーーー!!!!」

 

大量の不安の文字、「ん」の語尾に続く記号達。

これ以上、見てはならない。

わたくしめは己の本能に従い、携帯電話を投げ飛ばし、

布団を頭までかぶったのでございます。

 

これはわたくしめを不安に洗脳するための魔術なのでございませう。

かつて学友であったその人は、

もはや言葉の通じる人ではなく、

わたくしめの安眠を奪おうとしてくるのでございます。

 

わたくしも、最初のうちは誠意を尽くしたお返事をしたためておりました。

しかし、日に日に難解さは増してくるばかりで、自身が疲弊してくるのを感じたため

彼女にお願いをしたのでありました。

 

眠りにつく頃に、連絡がくると、緊急事態かと想像し緊張してしまうので避けて頂きたいこと。

電子メイルが大変長文であるため、見直してから送って頂きたいこと。

どうしても長文になるのであれば、お電話にしていただいても結構であること。

 

彼女は了解してくださいましたが、

「ただ、電子メイルは三度は見直して、お送りしていますのよ。」

とおっしゃったのでございます。

 

その言葉は今でもときどき、わたくしめの心を恐ろしさでいっぱいにしてしまうのでございます。

大量の不安の文字、たくさんの記号、どれも省略することが許されない、、と。

 

彼女からの電子メイルが、夜中にくることはほぼなくなりました。

しかし、お電話も料金の問題なのか、連絡はございませんでした。

かわりに、長文の電子メイルが朝や昼間や夕方に送られてくるのでした。

 

長文で難解な電子メイルが、負担であることが伝わっていなかったのでした。

これはわたくしめの説明不足でございます。

もう一度、わたくしは丁寧にお願いをいたしました。

 

「あなた様のお言葉はわたくしのような教養のないものには難解でございます。

あなた様の使用する言葉の意味や意図を理解するには、その都度質問して確認しなければなりませぬ。それには電子メイルは不向きであります。

もしお返事が必要なく、ただ聞いて欲しいのであれば、その旨記載頂きたいのです。申し訳ございません。」

 

彼女は気分にムラがあることを、気分がムラムラして、

と独自の表現なさるような事が多々ございます。

翻訳作業を必要とする手間と時間が、わたくしを追い詰めたのでございます。

 

彼女からのお返事はだいたいこのようなことでした。

「電子メイルは確かに一方的なものであったでしょう。御免なさい。

今後はお電話か、お会いしてお話したいと存じます。

貴女が使用した、意図という言葉を存じ上げず、辞書を引きました。」

 

「意図」の「意図」が伝わらず、いとおかし。

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ダジャレ言いたさに書き上げた過去の日記。

 

嘘みたいだけど本当にあった恐ろしい話。

あやコムはできる限りのことをしたが、

話をすることの無意味さに絶望し、連絡を絶った。

 

どうすりゃよかったのか。

宜しくご教示願います。